CNC加工の見積要因:コーナーR・公差・コスト
なぜ加工見積が高くなるのか
加工見積は、加工時間と材料費を基本に、設備費などを加味して算出します。開発段階であれば、用途に影響しない範囲で設計を見直すことで、加工コストを抑えられる場合があります。
コストを抑えるための具体的なポイントを紹介します。
1. 不要な直角形状を避ける
CNCフライスでは工具が円筒形のため、内側の完全な直角(90度)を直接加工できません。コーナー逃げや追加工が必要になります。内コーナーRを大きくすると加工時間を短縮できます。完全な直角が必要な場合は放電加工などを用いますが、コストは上がります。
下図のように、円筒形の工具で深いポケットを加工すると内コーナーにRが残り、完全な直角にはなりません。
2. 公差指示を必要箇所に限定する
部品精度は公差指示に基づいて管理します。はめあい面、平面度
、平行度
などの重要箇所には適切な指示が必要です。ただし、機能に影響しない箇所へ厳しい公差を指定すると、不要なコスト増につながります。
3. 標準工具寸法を選ぶ
穴加工には標準径があります。ø2.53 mmのような特殊径を指定すると、専用工具や追加工程が必要になり、見積額が高くなる場合があります。
4. ロット数をまとめる
初回生産では段取り費の比率が高くなります。数量をまとめると段取り費を分散でき、材料調達の効率も上がるため、単価を抑えやすくなります。
5. 加工に適した材料を選ぶ
金属材料には多くの種類があります。ステンレス鋼には300系(SUS3xx)と400系(SUS4xx)などがあります。研削が必要で特別な条件がない場合、磁性を持つ400系はマグネットチャックで保持しやすく、追加治具を減らして製造コストを抑えられることがあります。